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今日、家に帰って、洗濯物を取り込んでいると、玄関でドアを叩く音。 ドアを開けると、立っていたのは中年の女性だった。 「ココに、引っ越してきたんですけど、給湯器の使い方が分からないんですよ・・・。」 私は曖昧な記憶で、玄関にある、給湯器のボタンの使い方を説明した。 そして、一通り説明した後、その女性が小脇に抱えていた、小さな包みを私に手渡した。 礼を言い、その包みを、部屋で開けてみた。 中には、洗濯物洗剤が一箱。良い匂いを放ち出てきた。 そして、なんだか、とても寂しい気分になった。 ここは、独身者専用のアパートだ。 その女性にも、そして、私にも、この洗剤の一箱は大きすぎる・・・。 きっと、私なら使いきるのに半年はかかる。 なんだか切ない。宝物のような洗剤の箱。 私は、それをそっとシンクの奥にしまい込んだ。 忘れたい。忘れたい。この洗剤の事も、そして、いろんな全ての事も。 洗剤一箱から、色んな思いがフラッシュバックする。 私は、50になった時、何をしているんだろう。 子供がいて、孫がいて、猫なんて飼っていて・・・。 みんなの服は、同じ洗剤の匂いがしていて・・・。 それとも、こうやって、一人で、ボソボソ生活しているのかな? 洗剤すら使いきれないオバちゃんになってるのかな? まぁ、いいや。うん。いいか。
by kingyonoosasimi
| 2005-06-06 23:34
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